最近の住宅は瓦ではなくコロニアル(スレート)と呼ばれる薄い板状の屋根材を用いた「コロニアル屋根」が増えており、このコロニアル屋根をリフォームする際に主流となっている工事方法が「屋根カバー工法」です。
トラスト美装でも最近「屋根カバー工法」に関するご相談が増えてきています。
築25年~40年ほど経過した家の場合、コロニアルやコロニアルの下に敷く防水シートの劣化が大きいこともあり、その場合は防水塗装を施しても意味をなさないため、屋根カバー工法によるリフォームをご提案することも多いです。
そこで本記事では屋根カバー工法の特徴や注意点、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
屋根カバー工法がどのようなものか理解できる内容になっていると思いますので、屋根のリフォームでカバー工法をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
「屋根カバー工法」は既存の屋根の上に新しい屋根を被せる工法
屋根カバー(重ね葺き)工法とは既存の屋根の上に新しい屋根を被せる屋根リフォームの工事方法のひとつです。
経年劣化した既存の屋根の上に防水シートを貼り、その上から防水機能のある軽い金属の屋根材を貼り付けることで屋根本来の防水機能を取り戻すことを目的としています。
トラスト美装では屋根カバー工法で主に使用される「ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)」の屋根材を採用しています。
平均的な耐用年数は30年以上、長ければ50年近く持つとも言われており、防水機能のみならず、防火・耐風機能も高く長期間の災害への対策にもなるでしょう。
既存の屋根を撤去する「葺き替え工事」より工期・費用面に優れる
屋根リフォームでもうひとつ代表的な工法とされるのが「葺き替え工事」です。
この葺き替え工事は既存の屋根材を一度撤去してから新しい屋根に葺き替える工法ですが、その性質上どうしても撤去して処分する分だけ工数と費用がかかってしまいます。
しかし、屋根カバー工法は既存の屋根を撤去せずそのまま上に被せてしまうため、撤去作業・廃材処分が発生しない分工期も短く、費用も抑えられる点は屋根カバー工法の魅力です。
屋根カバー工法のメリット・デメリット
現代の屋根リフォームの主流となってきた屋根カバー工法ですが、もちろんメリットもあればデメリットもあります。
屋根カバー工法のメリット・デメリットを簡潔にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
工期・リフォーム費用の圧縮 断熱性・防音性・防水性の向上 | 耐震性の低下の可能性 下地の劣化状況により工事不可 |
それぞれについて以下より詳しく解説していきます。
メリット1:工期・リフォーム費用の圧縮
前述したように、屋根カバー工法は既存の屋根を撤去せず、上に新しい屋根を被せていく工法です。
そのため、葺き替え工事では発生する屋根材の撤去作業がほぼないため、葺き替え工事の約半分ほどの工期でリフォームが完了します。
工事で不便になる期間も少なくなり、騒音や人・車の出入りなどご近所への迷惑をかけることも少なくなります。
メリット2:断熱性・防音性・防水性の向上
屋根カバー工法を行うと、屋根は「古い屋根+新しい屋根」という二重構造となります。屋根が二重となることで防水性はもちろん、断熱性や防音性も向上する効果が期待できます。
屋根から伝わってくる熱気や冷気が伝わりにくくなり、屋根を叩く雨音なども聞こえづらくなるため、特に屋根から近い2階の部屋は住み心地の改善が期待できます。
デメリット1:耐震性の低下の可能性
古い屋根の上に新しい屋根を被せるということは屋根の重量が増加するということ。屋根の重量が増加すると家の重心が上に移動してしまうため耐震性が低下し、地震に遭った際に揺れが大きくなってしまう可能性があります。
しかし、現在は非常に重量の軽い屋根材が使われるため、耐震性の低下について大きく心配することはあまりありません。
現在主流となっている屋根材で、トラスト美装でも採用しているガルバリウム鋼板は1㎡あたりの重量が約7kg前後の非常に軽い金属です。一般的なコロニアル屋根が1㎡あたり約20kg前後なので、約30%ほど屋根の重量が増える計算になります。
この程度の重量増は耐震性に大きな影響は与えるレベルではありませんのでご安心いただければと思います。とはいえ重量が増えることは事実なので、どうしても不安であれば葺き替え工事を選ぶのもひとつの選択です。
デメリット2:下地の劣化状況により工事不可
既存の屋根の劣化があまりにも激しかったり、雨漏りなどで屋根の更に内側にある下地まで激しく劣化してしまっている場合は屋根カバー工法での施工が難しい場合があります。
屋根カバー工法は葺き替え工事のように既存の屋根を剥がさないため、下地の点検・補修ができません。内部から補修が必要である場合は、外から被せるだけの屋根カバー工法では問題を解決できないからです。
下地の劣化が激しい場合は多くの場合葺き替え工事を行うことになります。
屋根カバー工法の注意点
屋根カバー工法によるリフォームを検討する際に気をつけておかなければならないことがいくつかあります。想定外の事態を防ぐためにもチェックしておきましょう。
瓦屋根には基本的に対応が難しい
もしあなたの家の屋根材が瓦である場合は、基本的にカバー工法によるリフォームは対応できません。
屋根カバー工法で用いる金属屋根は薄く平らな形状をしているため、波状で段差がある瓦屋根には現実的に施工が難しいです。
瓦屋根の場合は基本的に葺き替えもしくは葺き直し工事が選択肢となります。
火災保険を利用した屋根の修理では適用できないことが多い
最近は豪雨や台風などの災害による家屋の被害も増えており、火災保険を利用して屋根を修理しようと考える人は少なくないでしょう。
しかし、このような場合は屋根カバー工法では基本的に火災保険の適用はできません。
火災保険の適用範囲は基本的に「受けた損害に対する補償」です。つまり、損傷した部分を損傷する前の状態に戻すまでが保険適用の範囲となります。
屋根カバー工法は損傷した屋根はそのままで、その上に新しい屋根を被せることで損傷による性能を補填・向上させる工法であるため、火災保険がカバーする範囲を逸脱してしまうのです。
「修理」と「リフォーム」は別物ということを理解しておきましょう。
太陽光パネルの設置が難しくなる場合がある
屋根カバー工法を行うと屋根に太陽光パネルの設置が難しくなる可能性があるため、検討している家庭は注意が必要です。
太陽光パネルは落ちないようにパネルを載せる架台を屋根の下地にしっかりと固定する必要があります。
しかし、屋根カバー工法で新しい屋根を被せてしまうと屋根が二重になって厚みが増えてしまい、架台をしっかりと固定できず太陽光パネルが架台ごと落下するリスクが発生してしまうのです。
太陽光パネルの落下は重大事故につながる事項なので、太陽光パネルの設置を検討している方は落下リスクを考慮してどのように太陽光パネルを設置するかを考える必要があります。
また、すでに太陽光パネルを設置している方は、今の状態で屋根カバー工法での屋根リフォームが可能なのかをご相談の際に確認してください。
屋根カバー工法の費用の相場
やはり気になるのが屋根カバー工法でのリフォーム費用の相場ではないでしょうか。
屋根材が1㎡あたり10,000~12,000円ほどで、足場が約20万円ほどかかります。一般的な戸建住宅の屋根面積は100㎡前後なので、費用感としてはだいたい100万円前後になると考えられます。
もちろん屋根の大きさや形状、劣化の状況や施工業者などさまざまな要因により値段は変動します。正確な値段は見積もりを取らないとわからないため、上記の値段はあくまで参考程度に留めておいてください。
外壁塗装も合わせて検討するほうがお得
もし外壁の塗装なども考えられているのであれば屋根リフォームと合わせて施工したほうがお得です。
屋根カバー工法も外壁塗装も工事の際に足場代がかかります。それぞれを別で行うと足場代を2回支払うことになりますが、合わせて工事をすることで足場代が1回で済むため費用が抑えられます。
もちろん無理に行う必要はありませんが、屋根リフォームを検討するほど築年数が経過しているのであれば外壁も手入れが必要な時期を迎えていることも少なくありません。
もし気になるのであれば外壁塗装も含めた見積もりもお願いしてみてはいかがでしょうか。
トラスト美装では不明瞭な見積もりや金額設定でお客様が不安に思われないように費用の内訳明細を分かりやすく記載した「建物診断書」をお渡ししています。どこに何円かかるのか明確に提示しておりますので安心してご相談くださいませ。
筑後市周辺で屋根カバー工法でのリフォームご相談はトラスト美装へ
屋根カバー工法は葺き替え工事よりも工期も短く、費用も抑えられるため屋根のリフォームにおすすめです。ただし、屋根の状況によっては工事が難しかったり葺き替え工事が向いている場合もありますので、本記事で確認していただけると幸いです。
施工が可能か、費用はどれくらいになりそうなのかという点については実際に点検・見積もりを行わなければ分からないため、もし屋根カバー工法によるリフォームをご検討の場合はトラスト美装が力になります。
業界として、施工店が下請け業者に丸投げすることによるトラブルはいまだに耳にするため、お客様に安心してお任せいただける体制を整えました。
トラスト美装では最初から最後までのすべての工程を自社職人が一貫して対応しており、お見積もりや工事の施工についても常にお客様にもご理解・ご納得いただける説明を心がけております。
建物診断・お見積り・ご相談は無料で承っておりますので、不明点や疑問点がございましたら、お気軽にトラスト美装へお尋ねくださいませ。